とうかげん。屋号、これからの自分の仕事の名前を付けていよいよ本格的に作業が始まりました。
ビッグアイランドに移住してからは温室も温床も無しで夏野菜の育苗ができるようになりましたが、亀岡市旭町ではそうもいきません。家の裏に人からもらってきたハウスの骨組みを設置して、ビニール張り。踏み込み温床のための枠を木材で作り、早速落ち葉を踏み込みました。ハウスの解体・運搬・設置・・など全工程一人でこなしました。楽しかったなー。電動工具の使い方を知らない時期だったから、大きな温床枠も釘と金づちで作りました。
初年度に蒔いた種は、研修先から分けていただいたものと種屋さんから買ったもの。自家採取の元種にしようと地元の種屋さんにもよくお世話になりました。5月に入っても霜が降りることのある旭町での初育苗。楽しさと不安が綯い交ぜのあの頃、懐かしいな。農業をしようと思い立ってから10年近く経ち、ようやく自分の好きなように仕事ができる場を手に入れて、嬉しくて楽しくて仕方なかった時期です。
そういえば、2年目からは育苗土は踏み込み温床の残渣を使うようになりましたが、初年度はまだ育苗土がありません。山の落ち葉の下からかき集めて使っていました。落ち葉をどけた下にわずかにできた腐葉土をかごに集めていくこの仕事、軽トラいっぱいにするには案外時間がかかります。時間だけはあった初年度だからできた仕事ですね。
未熟だったけれど、熱意が報われたのか、最初の育苗はびっくりするほどうまくいきました。ナス・トマト・きゅうり・ズッキーニ・・・・。農家としてやっていく以上、野菜が収穫できないと始まりません。元気に育った苗たちを祈るような気持ちで植えていきました。