誰もいない山の中、いつも通り八朔の木に登り収穫作業をしていた。
その時にふと訪れた感覚。
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生い茂る葉に全身包まれながら、上を向いたり、身体を捻ったり、ごそごそ動く。
時には背中を半分枝に預けて、寝そべるような体勢になったりする。
頭から足まですっぽり葉に包まれて、八朔の実に手を伸ばすその先に見える木洩れ日につい目が行った。
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ああ、まるで八朔の木に抱かれているようだな。
移住して以来慣れない果樹の世話について勉強して、全力で作業してきたつもりだった。
でも本当にこれでいいのか、八朔の木は満足してくれているのか、いつも考えていた。
気づかないうちに、いつもその葉に枝にいだかれていたんだな、と思った。
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